20日付け朝日新聞の読書版で紹介されておりました。副題は〔人を薬に変えるケアの技法〕
そして同日夜NHKの特集番組でこの本の著者のお一人イヴ・ジネストさんの活動も
報告されておりました。

認知症ケアの方法のお話です。 認知症になると大脳辺縁系のなかにある海馬から
気持ちを落ち着かせるホルモンの分泌が減少するため、徘徊や暴力的な行動のコントロールが
困難になるとか。 この症状に対して優しくみつめること、はなしかけること、触れること、
立たせること
の方法が紹介されています。人間とは何かという哲学のもと、目の前にいる
かけがえのない人の現全性と固有性への配慮こそが人を薬に変えるのではという問いかけ
でもあるでしょう。 

皮脳同根(皮膚と脳は発生源が同じである)という考えの元、行っているアロマトリートメントは
人がごく自然に行うことのできるおもいやりの行為であり、また誰にでもできるコミュニケーションの
手段です。 心得として相手を尊重する心を持ち、その気持ちを手にこめる。 穏やかに
溶きほぐすように、そして褒めながら
愛でながらとは師匠井上康子先生から教わった心得でも
あります。 このことはこの本の本質と同じなのではと考え、本が届き次第読み込んでみます。

認知症の親を看取った経験から、身内に対しては優しく接することの困難さは承知しております。
若い時はしっかりしていたため、こわれていく姿を認めたくなくてついしっかりしてと語気を荒げた
ことも度々でした。
今はまだ必要ないはと思っていらっしゃる方に申し上げたい。必要のない時からこの方法を
実践していればいざという時に自然にスムースに手段がとれますし、何より実践していれば
認知症になる度合いが軽減されると考えています。 ご一考くださいませ。