今日岡山山陽新聞カルチャーの講座は休講となりました。
仕事、親御さんの介護、そして生徒さん自身の体調の不具合等々で。

岡山まで出かけていたので、映画を見ることにしました。
 9時17分発パリ行き  実際に起きた列車内でのISISによるテロ事件を
勇敢に犯人を取り押さえた青年達に演じさせたというイーストウッド監督の
試みに拍手でした。 

お話は青年達の幼少期から始まります。シングルマザーに育てられている
彼らは問題児。しかし親子で苦難に屈折することなく自分たちの居場所を
見つけ生きていく様は立派なものです。

苦悩を共にした幼なじみ達は長じて軍隊に入り、厳しい訓練にも持ち前の
自分流で克服していきます。 そして休暇に入りヨーロッパを旅行。
この様子が俳優の演技ではないだけに若者の自然体がよく出ていました。

 困難な局面に果敢に立ち向かう心意気がどこから生まれたのか?
この行動が取れた背景を示すため、監督は彼らの生き様を長く
描写しています。

通ったキリスト教の学校での祈りも大きく根底にあるかと思われます。

  主よ、私をあなたの平和の器にして下さい
  憎しみあるところにあなたの愛があるように
  悲しみあるところに喜びがあるように
  絶望あるところに希望の道があるように
  暗闇あるところに光が満ちるように
  慰められるよりも慰めることを求めよう
  愛されることよりも愛することを求めよう
  赦すことにより私達は赦され
  神の愛を伝える平和の器に   賛美歌より

人間の知恵を超えた見えざる大きな力を意識し、生きる縁にすることは
どの宗教の祈りのことばにもあります。主の祈り、般若心経等。
最近神道の六根清浄の大祓を知りました。自身が清い心でいることが
邪悪なものから守られる術であることがわかりやすく表現されていました。

市井に生きる人たちの当たり前にある苦悩、喜び、義務感による行動等を
どの作品でも丹念に描く監督こそアメリカ人の矜持と見るべきでしょうか。